絵本の店・星の子おすすめ絵本（その9）

「絵本の店・星の子」
今月のおすすめ絵本
（その９）

子供たちに愛され、
読みつがれ
みんなが好きになる
絵本をどうぞ

「今月のおすすめ」シリーズで、今までにご紹介した絵本です。（その9）

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ドイツのお話しから２冊をご紹介します。どちらも伝説や昔話をもとにしています。

★ブレーメンのおんがくたい
グリム童話　ハンズ・フィッシャー　え　せた　ていじ　やく
	これはグリム童話を、スイスの画家が自分の子どものために絵本にしたものです。年をとって人間のためには役に立たなくなった動物（ろば・犬・猫・にわとり）たちが、ブレーメンの音楽隊にやとってもらおうと出かけていくお話しです。
	それぞれがそれぞれの事情から家にいられなくなり、ブレーメンめざしていくうちに次々に出会い、行動をともにします。ブレーメンへは一日では行けません。そこで森で一晩泊まることになりました。その森の中の一軒の家には・・
福音館書店 1300円＋税	さてさて動物たちは無事ブレーメンへ行ったでしょうか？それはみなさまご存知の通り・・！フィッシャーの線画の美しさ、動物たちのコケティッシュな様子、明るくカラリとしたステキな絵本です。

★ハメルンの笛ふき
ロバート・ブラウニング　詩　ケート・グリーナウェイ　絵　矢川澄子　訳
	ハメルンに伝わる子どもたちの失踪、不思議な伝説をもとに、イギリスのヴィクトリア朝詩壇の代表的存在ロバート・ブラウニングが、知人の息子に書いたものです。絵はコールデコットと並ぶこれまたイギリスの代表的作家です。
	おそるべきネズミの大群におびやかされる中世ハメルンの町・・。一本の笛をもった不思議な男があらわれてねずみ退治を申し出ます。男は約束どおり町のネズミを一匹残らず笛でおびき寄せ、おぼれ死にさせてしまいます。
文化出版局 1600円＋税	しかし約束を破った市長に男は抗議し、町の子どもたちを・・・。不思議でこわい話しを、詩の文章とグリーナウエイの素晴らしい絵が見事に語り尽くしています。

ジトジトと梅雨のようなお天気が続いていて、なんともゆううつなこの頃、
雨上がりのステキな虹でも見てみたいと思うのは私だけでしょうか・・・？

★７ひきのいたずらかいじゅう
モーリス・センダック　作　なかがわ　けんぞう　訳
	うすくて小さな横長の絵本がなんともかわいらしい。表紙を見ると、7ひきのかいじゅうたちのこっけいな様子と、その前を右往左往する人や動物のかわいらしい(?)様子が目に入ってくる。
	ページをめくっていくと1匹1匹のかいじゅうの特徴が紹介されていく。色鉛筆で描かれた絵はやさしい。よくよく見るとこのかいじゅうたちは「かいじゅうたちのいるところ」のかいじゅうと格好・しぐさがよく似ている。 1ページ1ページに町の人たちが工夫をこらしてかいじゅうと対峙している様子が描かれ、それを見ているだけでも楽しい。
好学社 874円＋税	絵がたくさんのことを語っている絵本。小さな子と一緒に読んでみたい。

★くんちゃんとにじ
ドロシー・マリノ　さく　まさき　るりこ　やく
	見開きにはザァーザァーと降る雨を窓辺でながめているくんちゃんが描かれています。そして次には雨があがって出来た大きな虹の下を、その根元に向かってナベを持ち走っているくんちゃんとそれを見送っているおとうさん、お母さんが・・・。
	”虹の根元には金のつまったつぼがうまっている”ということりの話しをまにうけて、虹の消える前に根元を探し回るくんちゃんですが、これと思うところにいくと根元は消えています。でも、ついに・・・！？
ペンギン社 950円＋税	いつものように子どもらしい発想で生き生きくんちゃん。その真剣さに神様は大きなプレゼントをくれました。どうぞくんちゃんに会いに来て下さい。

春めいて心が浮きうきする季節にオススメの本、いずれも色彩が美しく心が浮き立ちます。

★ひよこのかずはかぞえるな
イングリとエドガー・バーリン・ドーレア　さく　せた・ていじ　やく
	これは「ひよこのかずはかぞえるな」ということわざを絵本にしたもので、久々に復刊されました。（ほぼ同じ内容の絵本がアンデルセン原作　ジャン・ウォール文で「おおきなおとしもの」という題で出ています）
	表紙に大きく描かれたメンドリは立派で、下にたまごとひよこが６羽。おはなしは、たまごを一つ産んだニワトリの夫婦が朝の時を告げるところから始まります。このニワトリを飼っているおばさんがその声で目をさまし、たまごを見て大喜び、たまご棚には合わせて３６ヶも・・さてこれを売って・・とおばさんの空想はどんどんふくらんでいきます。
福音館書店 1200円＋税	画面いっぱいにふくよかで愛想のあるおばさんが、いろんな表情としぐさを見せてくれます。ドーレア夫妻の絵はち密であたたかです。さてさておばさんの夢はどうなったでしょうか・・
	★おおきなおとしもの H・C・アンデルセン　原作ジャン・ウォール　文レイ・クルツ　絵ともちか　ゆりえ　訳（ほるぷ出版　1600円+税）

★ちいさいおうち
バージニア・リー・バートン　ぶんとえ　いしいももこ　やく
	”むかしむかし、ずっといなかのしずかなところにちいさいおうちがありました。それはちいさいきれいなおうちでした。” ちいさいおうちは幸せでした。夜には夜の、昼には昼の楽しさにあふれ、四季の喜びも体で感じました。
	ところが月日のたつうち周りは変化していき、にぎやかな町になり、もう夜なのか昼なのか、季節も判らないようになりました。ちいさいお家にも誰も住む人がいなくなりました。ちいさいおうちは白いヒナギクやリンゴの木がお月さまの光の中で踊っている田舎の景色を夢みて、淋しく思うのでした・・。
岩波書店 1600円＋税	文章は詩のように美しく、動きのある美しい絵は見事です。人間の生活にとって自然がどんなに大切かを考えさせられ、長く子どもたちに読みつがれている１冊です。

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