絵本の店・星の子おすすめ絵本（その8）

「絵本の店・星の子」
今月のおすすめ絵本
（その8）

子供たちに愛され、
読みつがれ
みんなが好きになる
絵本をどうぞ

「今月のおすすめ」シリーズで、今までにご紹介した絵本です。（その8）

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桜の花が咲くのはいつなのでしょう・・・？毎年のことながら気になる今日この頃です。
花や虫たちはもうもぞもぞと動き出しています。ウキウキする春にオススメの本２冊。

★わたしとあそんで
マリー・ホール・エッツ　ぶん／え　よだ・じゅんいち　やく
	小さなかわいい女の子と動物たちの交流を描いた絵本。 ”あさひがのぼってくさにはつゆがひかりました。わたしははらっぱへあそびにいきました。” 簡潔でムダのない文章でお話しは始まります。
	バッタ、カエル、カメ・・・”あそびましょ”と追いかけるとみんな逃げてしまいます。つまらなくなった女の子がジーッとしていると次々に近寄ってくる動物。ついにはシカの赤ちゃんがおもわず・・・その一部始終をおひさまがニコニコと空の上から見ていました。
福音館書店 1000円＋税	女の子のくったくのなさと動物のかわいらしさ・・そこにはエッツの科学の目が注がれています。

★おおきなのはら
ジョン・ラングスタッフ　文　フョードル・ロジャンコフスキー　絵　さくま　ゆみこ　訳
	大きな野原に住まうたくさんの動物の親子。 ”○○してごらん”とお母さん、”○○するからみててね”と子どもたち。私たち人間の子どもも”みててね、みててね”といって、みていてくれる大人達の愛に包まれて大きくなる・・
	そして野原を夕日が染めて、やがて訪れる夜のやみ・・動物たちは必死の形相で生きるための営みを始める。
光村教育図書 1300円＋税	ここにも動物の営みをごまかさない画家の真摯な姿勢がある。ロジャンコフスキーの絵はあたたかく美しい。

ポタポタとヌクヌクと春の足音が少しずつ近づいて来ている今日この頃ですが、
今月はこの1～2月にかけて久々に復刊された絵本の中から２冊をご紹介しましょう。

★きょうはよいてんき
ナニー・ホグロギアン　さく　あしの　あき　やく
	表紙をめくると、そこは木が生い茂る森の中、木と木の間を目でたどると一匹のキツネがいるのがわかります。そして足元には可憐な花・・・良い天気に誘われて一匹のキツネが散歩に出てきました。
	のどがかわいたキツネは、ついおばあさんのミルクを飲んでしまいました。怒ったおばあさんはキツネのしっぽをナイフでチョキン！しっぽを切られたキツネは仲間のところへ帰れません。ミルクを持ってきたらしっぽをぬってあげようといわれてキツネは牛のところへ、牛には草を持ってきたらといわれ原っぱへ・・という具合にじゅんぐりに交換条件が出されて・・・
ほるぷ出版 1600円＋税	でも最後にキツネは無事に仲間のところへ帰ります。アルメニアの民話を素材にした繰り返しのある楽しいお話し。小さなお子さんとともに楽しんで下さい。

★すばらしいとき
ぶんとえ　ロバート・マックロスキー　やく　わたなべしげお
	都会を離れ、島で夏のひとときを過ごした一家のお話。
	その一家が季節の移り変わりの中で自然を体感したこと、それらを通して自然のもつ素晴らしさとおそろしさを、一呼吸おいて詩情豊かにつづった感動的な絵本。そして今の生活が昔とつながっていることもさりげなく組み込まれていて味わい深い。
福音館書店 1500円＋税	夏が終わって島を去る荷支度をする一家の絵の中に、腰つきのがっちりとしたサリーのお母さん（同じマックロスキーが描いた「サリーのこけももつみ」の）を見たおもいがして、ほのぼのとあたたかかった。

もうすぐ節分・・今月は鬼の本２冊をご紹介します。１さつは日本の鬼、もう１さつは外国の鬼・・・
読みくらべてみると、鬼もなかなか面白いものです。冬の夜の楽しみとして読んでみてください。

★だいくとおにろく
松居　直　再話　赤羽　末吉　画
	これは岩手県に伝わる昔話を絵本にしたものです。
	昔話の絵本化はなかなかむつかしいものですが、この本は再話も良く、絵もこの話の世界を広げ盛り上げるのにとても良い役割を果たしています。そして鬼の少々こわくて、少々間のぬけた様子が読む者によく伝わってきます。
福音館書店 743円＋税	子どもたちは大工とおにろくの名前当ての場面に、特に惹かれるようで、いい当てられてポカッと消えてしまう鬼に不思議な親しみをもつようです。

★ゼラルダと人喰い鬼
トミー・ウインゲラー　たむらりゅういち　と　あそうくみ　やく
	表紙に身体が大きくて、鼻・口が大きくするどいナイフを持った鬼が描かれています。日本の鬼とは全く違った容姿です。
	”鬼”という言葉から来る奇体もみられず、一見すると重量あげの選手のようです。その腕の中にかわいく、利発そうな女の子が抱かれほほ笑んでします。この表紙がすべてを物語るちょっぴり怖いけれど愉快なお話です。
福音館書店 1300円＋税	人喰い鬼として恐れられていた鬼が、この女の子と出会い、人を喰うことを忘れていくお話、この中に出てくるおいしそうなたくさんのお料理も一見の価値があります。

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