絵本の店・星の子おすすめ絵本（その7）

「絵本の店・星の子」
今月のおすすめ絵本
（その7）

子供たちに愛され、
読みつがれ
みんなが好きになる
絵本をどうぞ

「今月のおすすめ」のいままでにご紹介した絵本です。（その7）

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今年は暖冬なのでしょうか？　先日東京でもかなりの雪が降りました。
今月は「こどものとも傑作集」から２冊の紹介です。

★はじめてのゆき
なかがわ　りえこ　さく　なかがわ　そうや　絵
	この本は　とらのことらた　の雪体験とでもいったらいいのでしょうか・・・。
	とらたを通して、雪とはやわらかいもの、つめたいもの、あぶないもの、ころがすと大きくなるもの、おひさまに当たるととけるものなどということが、読んでいるものに伝わります。自分でも体験のある子は、共感を覚えわくわくすることでしょう。
福音館書店 743円＋税	中川宗弥さんの絵は空間をたっぷり残し、最低限の線づかいで、とらたの様子が愛らしく描かれています。雪と遊ぶことが楽しくなる年令の子ども達と読んでみたい一冊です。

★かさじぞう
瀬田貞二　再話　赤羽末吉　画
	日本の昔話を絵本にしたもので、貧しい一庶民の年とりの様子が描かれている。これと似た話はいくつかあるが、大みそかがなぜ年とりだったのか、正月でなければ米や魚は食べることが出来なかったくらし、そして昔話常連のおじいさんとおばあさん、読んでいると遠い祖先の暮らしぶりが目に浮かんでくる・・・
	瀬田貞二さんの再話の語りは、絵が無くても十分なくらいの美しさがあり、赤羽末吉さんの絵がとてもうまくかみ合って、良い雰囲気の絵本となっている。
福音館書店 743円＋税	藍の和紙の上に置かれた本のように作られた空間に、青と黄でその場の空気が表され、効果的に使われた墨絵のような黒が美しい。お正月の前後にぜひ子どもと楽しんでみてください。

クリスマスの絵本を紹介しましょう。前回は（その３）にあります。
クリスマスの絵本は良いものが沢山あります。クリスマス絵本のページ（33冊！紹介）もごらん下さい。

★クリスマスのまえのばん
クレメント・ムーア　文　デンスロウ　絵　わたなべ　しげお　訳
	アメリカの学者クレメント・Ｃ・ムーアが1822年に「セントニコラスの訪れ」と題する楽しい物語詩を書きました。あとでサンタクロースになったといわれるセントニコラスがクリスマス前夜にやってくるお話しです。サンタクロースはこの詩から広まったと言っていいでしょう。
	この詩はアメリカの子どもたちにとても喜ばれ、世界中に広がり、多くの人がこの詩に絵を描き、楽しいクリスマスの絵本として親しまれています。これはその中の１冊で、ウイリアム・Ｗ・デンスロウが絵を描いたものです。
福音館書店 1800円＋税	古典的なイメージの上に、コミカルな楽しさがあり、ムーアのすばらしい詩と一体となって、クリスマスを味わうことが出来ます。

★おもちゃ屋へいったトムテ
エルサ・ベスコフ　作　ささめや　ゆき　絵　菱木　晃子　訳
	人形作りの姉妹の家、その床下に住むこびとのトムテ一家。その息子のヌッセがふとしたことから人形になりすまして、町の大きなおもちゃ屋へやってくることに・・
	ショーウインドウに飾られたヌッセ、そこでヌッセは持ち前の茶目っ気を発揮し、人形を見ているのが子どもだけになると面白いことをして、トムテ人形は大評判・・・でもヌッセは田舎の家が恋しくてなりません。そうこうするうちとうとうクリスマス・イブの朝がやってきました。
福音館書店 1200円＋税	ベスコフ作品（短編童話）に、ささめやゆきさんが絵を描いて、独特の世界をつくり出しています。ベスコフの絵本から受けるイメージと少々異なったものがありますが、小さな子でも充分楽しめるよみ物です。

10月に入って暑さがぶり返した東京ですが、順調に木の葉も色づきはじめ、
赤や黄色の葉っぱたちの競演が見られるのも、もう間近です。

★きみなんか　だいきらいさ
ジャニス・メイ・ユードリー　ぶん　モーリス・センダック　え　こだま　ともこ　やく
	大人の手の中にすっぽり入ってしまう位のかわいらしい絵本。表紙には二人の男の子が「フン！」という顔をしてにらみ合っている絵が描かれている。
	本当は大の仲良しのジェームズとぼくが、ふとしたことから仲たがいをしてしまう。するとこんなこともされた、あんなこともされたとイヤだったことがたくさん思い出されて、「きもとはぜっこうだ！」「いいとも！」という具合・・。ところが「ねえジェームズ！」「なんだい？」そしてまた今まで通り何事もなかったかのようにクルクルクッキーを半分こして、ローラスケート遊びを始める二人・・・
冨山房 600円＋税	子どもって本当にこうだナ、親しい大人もこうだナとつくづく思わされるステキな１冊です。

★にぐるまひいて
ドナルド・ホール　ぶん　バーバラ・クーニー　え　もき　かずこ　やく
	まずクーニーの描く19世紀初めのニューイングランド地方ののどけさや、ポーツマス市場のにぎわいが、深くしみ入る秋の景色とともに、目に飛び込んでくる。そしてこの地方に住む一家の暮らしぶりが、この景色をバックに描き出されていきます。
	家族の一人一人が自分で出来ることをして、生活を作り上げていきます。季節が過ぎ、一年がたつという人間の営みが、そのつましい暮らしと失われてしまった自然の豊かさ、のどかさと一緒に私たちに迫ってきます。透明なはりつめた空気とともに・・・
ほるぷ出版 1400円＋税	クーニーの絵がたくさんのことを語ってくれます。じっくりと絵そのものを楽しんで欲しい絵本です。

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