絵本の店・星の子おすすめ絵本（その6）

「絵本の店・星の子」
今月のおすすめ絵本
（その6）

子供たちに愛され、
読みつがれ
みんなが好きになる
絵本をどうぞ

「今月のおすすめ」のいままでにご紹介した絵本です。（その6）

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雨とともに少しずつ寒さがやってきているこの頃、
季節の時計は確実に秋に向かって動いています。そんな季節にオススメの本２冊。

★せきたんやのくまさん
フィービとセルビ・ウォージントン　さく・え　いしい　ももこ　やく
	くまさんシリーズの中の１さつ。くまさんとうまの朝起きてから夜寝るまでの日常、それがユーモラスにリズミカルに、しかも淡々と描かれています。
	主人公のくまさんはぬいぐるみのようなくまさん。石炭の袋を荷車につんで、ぱかぱか　ぱかぱか街の中を売り歩きます。袋をどかんどかんと投げこんだり、受け取ったお金を１ヶ２ヶと数えたり、そのしぐさはなんともけなげでかわいい。
福音館書店 900円＋税	こうした日常がくりかえされ、そこに生活があるのだということが、幼い子どもたちに理屈抜きで伝わってきます。なんともいえない楽しさとともに・・・。

★もりのこびとたち
エルサ・ベスコフ　さく・え　おおつか　ゆうぞう　やく
	深い森のこけむした大きな岩かげに、チョコチョコ見えるきのこ模様の帽子が３つ・・この表紙が森に住むこびとたちのおはなしの始まりを告げています。
	こびとの家族、お父さんお母さんと４人の子どもたちの森での生活が紹介されていきます。はるには、なつには、あきには、ふゆには、そして再びはる・・家族が一人ふえたこびとの家族、おはなしはまだまだ続きそうです。
福音館書店 1300円＋税	森の生活にはそこに住む種々な生き物がそれぞれ役割を持って描かれ、北の森に住むトロルも現れます。ベスコフの絵は美しく味わいがあり、このおはなしにぴったりです。きれいなまるいお月さまをみながら、北の森のこびとたちのことに思いをはせてみて下さい。

★カングル・ワングルのぼうし
エドワード・リア　ぶん　ヘレン・オクセンバリー　え　にいくら　としかず　やく
	エドワード・リアの楽しいユーモアと皮肉に満ちたナンセンス詩に、ヘレン・オクセンバリーが美しい絵を描きました。色鉛筆で描いたかのように、その絵は繊細でやわらかく広がりがあります。
	クランペティの木の上に、カングル・ワングルがたくさんの飾りを付けた毛皮の帽子をかぶって座っています。だけどひとりぼっち、だれも来てくれなくてさびしい・・・ところがその帽子に住みたくてたくさんの奇想天外な動物たちが次々とやってきて---と話しは楽しく展開していきます。
ほるぷ出版 1400円＋税	１ページ１ページが美しく、面白く、登場する動物たちに目を奪われてしまいます。むらさき色した月の夜がクライマックス！お子さんと一緒にぜひ楽しんでみてください。

★しずかで　にぎやかな　ほん
マーガレット・ワイズ・ブラウン　さく　レナード・ワイズガード　え　谷川俊太郎　やく
	夜明け前の静けさと、陽が昇り新しい一日が始まっていく様子を、子犬のマッフィンを通して、音でとらえ表現した絵本です。
	赤・青・黄・緑・黒・白の６色をたくみに使って、幾何学模様のように絵の表現にもその音を現している。そして文字さえも表現の中にとけ込んで、変化して描かれ、絵と一体になって不思議な雰囲気と主張を持っています。
童話館出版 1300円＋税	子どもたちの経験と重ね合わせながら、楽しんでみたい本です。

梅雨も明けてぬけるような空の夏がやってきました。
子どもたちも自然を満喫する季節、今月はそんな季節に似合う本を・・。

★くんちゃんのもりのキャンプ
ドロシー・マリノ　さく　まさき　るりこ　やく
	とびらをあけると、いとこのアレックがリュックを背負ってくんちゃんの家へ向かう様子が描かれます。くんちゃんの家ではお母さんがお掃除、お父さんが水汲み、くんちゃんは木でブランコをしています。そうです！アレックはくんちゃんをキャンプに誘いに来たのです。
	さて初めてのキャンプ、くんちゃんは行く道で出会った鳥たちと会話し、その行動に興味しんしん。キャンプ地で真似てみますが、結局はクマのやり方が自分には一番ということがわかります。いつものことながら、かわいらしいくんちゃんです。
ペンギン社 950円＋税	緑と黒の線画で、さわやかなキャンプのイメージが本の中にあふれます。ほのぼのとあたたかく、楽しいキャンプの経験が私たちにじかに伝わってきます。

★影ぼっこ
ブレーズ・サンドラール　ぶん　マーシャ・ブラウン　え　おのえ　たかこ　やく
	”影ぼっこ”とは何でしょう？影の精のことです。光と火のあるところ、自分に生命を吹き込む語り手のいる場所にあらわれます。影ぼっこには声がない、飢えない、ねだらない・・・。
	この本でマーシャ・ブラウンは、人や動物を黒の切り絵で、それと対照的に景色などを原色で表現しています。どのページもはっとするほど鮮やかで神秘的・・それはある意味で怖くもある。それが影ぼっこの不思議さ神秘さにつながっているのでしょう。
ほるぷ出版 1600円＋税	詩人のブレーズ・サンドラールの文章とともに、この世界をじっくり味わってみてください。怖さを知りたい年頃の子どもたちに読んでもらいたい一冊です。

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